豪雨の後、梅雨が明けた途端に、ものすごい暑さになりました。皆さんお元気に過ごされていますか。
夏の涼といえば、うちわ・風鈴・かき氷(いつの時代?)といった頃から思うと、今やエアコン完備で、塩分と糖分を含む水分の適切な補給が当たり前。扇風機や打ち水といった風流なことでは、やり過ごすことができないほどの酷暑です。上手く自分の身体を守ってくださいね。
そうはいっても、やはり見た目の涼も大事。シーツや枕カバーの色、一つとっても寒色系の方が涼しく感じます。
食べるものもそうですよね。かき氷やアイスは元々冷たいもので、直接「涼」を感じます。また、ここ京都は日本を代表する和菓子処(大きくでました!)。夏にはその見た目にも涼しい和菓子がいっぱい。味はもちろん見た目にも美しくという文化が感じられて、私は大好きです。もちろん洋菓子も大好きですが。
ところがこの和菓子、見た目だけでもないそうなのです。例えば葛饅頭。あのなんとも言えないトロンとした透明感のある葛。冷やして食べると、なんとも言えない食感ですよね。(苦手な方はごめんなさい。)その葛饅頭も五味五性という薬膳的にとらえると、意味があったのです。五味は「酸・苦・甘・辛・鹹(しょっぱい)」五性は「寒・涼・平・温・熱」。くずもちの原材料の葛は、五味でいう「甘」、五性でいうと「涼」、に分類されます。「甘」は足りないものを補い、体力の補強滋養強壮の作用があります。「涼」は清涼感があり、鎮静消炎作用があります。また、風邪を引いたときなど葛湯を飲むのは、熱を取り、喉を潤してくれる作用があるからですね。
見た目だけではなく、夏の身体そのものにぴったりの和菓子、今年も大いに活用して元気にこの夏を楽しみましょう。