2021年3月1日月曜日

その時刻も捨てがたい…

 「一つ、二つ…八つ、今何どきだい?九つで。十、十一…」で有名な落語「時うどん」、「草木も眠る丑三つ時…」で始まる怪談話。どちらも江戸時代に使われた時刻がでてきます。今でいうと何時?
 江戸時代の基準は「日の出」と「日の入り」でした。その間を六等分し、日の入りと日の出を六(むつ)として、四(よつ)から九(ここのつ)まで数えました。日の出の六は「明け六」、日の入りの六は「暮れ六」として、あとは図の通り。基準が日の入と出なので、今で数えると毎日時間の長さが異なります。不定時法と言いました。

 今で言うと、暁九が夜中の0時、昼九が正午に当たるでしょうか。日の出とともに働き、日の入で店じまい。そんなサイクルの生活で、実際の時間の長短など関係なかったようです。人々はその時刻を、時を告げる鐘で知ったようです。
(和時計があったようなのでそれをもとに城や寺で鳴らしていました)
 「時うどん」では、暁九で成り立ってた一文ちょろまかす話を、気が急いたアホが夜五どきにやった失敗が落ちになっています。時刻を知ると話がより面白くなります。
 また十二支で数えることもしていましたので、十二支の一つをさらに四等分した時刻もあり、「丑三つ時」とは丑の刻の3つ目の時刻ということになります。今の時刻に置き換えてみると、子の二つが0時くらいですから2時くらいになりますか。まさに真夜中ですね。
 「四六時中」は1日中という時に使いますが、昔でいうと「二六時中」と言うことになります。(九つから四の六つの時が二つで二六時中)
 現代ではさすがにアバウトな時間感覚では全てに支障をきたすでしょうが、そのアバウトさが羨ましくもあるええかげんな私です。

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